経済指標トレード

経済指標トレード

リーマンショック以前は、USD/JPYを買いエントリーだけで保有して上がれば売る。これを繰り返すだけで勝ち続ける人が沢山いました。

2000~08年は、1ドル110円を中心に往来しているため、買いだけで勝てる期間でした。また、スワップ金利が数百円つくため、長期保有するメリットがありました。そのため、買って放置していても、いずれ値が戻るため負ける人は少なく、多大な利益を上げる人が沢山いました。

しかし、リーマンショック以降事態は一辺します。USD/JPYは、1ドル100円を割れ、スワップ金利は数円程度になりました。そして、多くの人が損失を出す結果になりました。

その後、2013~14年は世界経済の回復と共に、USD/JPYは上昇して、買いエントリーだけで勝てる時期になりました。
しかし、多くの人は超円高を味わったため、この上昇波には乗れずにいます。
いつまた円高が来るかという恐怖があるためです。しかし、「景気先取り指標」を見ていれば、USD/JPYが円安に進むか、円高に戻るかが簡単にわかります。

内容

USD/JPYの進む見通しを知るには、景気を先取りする指標を見ます。

この「景気先取り指標」は次の2つがあります。

  • 米国・非農業部門雇用者数
  • ISM製造業景況指数

これらにより、世界景気の状態やUSD/JPYの方向性が分かるようになります。

雇用統計

「景気先取り指標」は、月1回のペースで発表されるので、毎月チェックして、ノートなどに書いておきます。

上記のデータでは、2008年は悪い状態が続いています。9月にはリーマンショックが起きたため急激に悪化しました。それとともにUSD/JPYも急降下しています。

このように、USD/JPYの動きと合わせて2つの経済指標を見ていくと、景気や為替の流れ・転換点がある程度見えてきます。

経済指標について

米国・非農業部門雇用者数

米国の農業部門以外の雇用者数の増減を示すものであり、米国の雇用の動向は世界の外為投資家が最も注目する経済指標です。

雇用統計は、失業率と非農業部門がありますが、非農業部門の数値が、より注目されます。何故なら、失業率よりも先行して動く習性があるためです。

  • 雇用統計の悪化は、経済状況が悪い。したがってドルが下落する要因になります。
  • 雇用統計が良い場合は、経済状況が良い。したがってドルが上昇する要因になります。

雇用統計とUSD/JPYの動きの関係は同じです。

非農業部門の数値は、「プラス5~15万人」が標準であり、この数値が割れない限りは、ドルが大きく下落することはありません。数値がマイナスに入れば、ドルの大幅な下落が予想されます。
つまり、0~5万人を境にして、ドルは大幅に変化します。

ISM製造業景況指数

製造業の購買担当役員へのアンケート結果を元に指標数値化しています。
調査した月の翌月の1日に発表されるため、速報性が高く景気動向を占う上で重要な指標です。

この指標の標準は、50~55です。標準値以上の場合は、ドルが底堅く推進する傾向があります。
逆に50を下回ると、ドルが大幅に下落する要因になります。

まとめ

  • 米国・非農業部門雇用者数
  • ISM製造業景況指数

以上の2つの指標数値が良い期間は、ドル円は下振れすることはなく、買いエントリーだけで利益を続けることが可能です。

但し、有事や天変地異などがあったり、ギリシャショックやリーマンショックなど、あまりにも世界に与える影響が大きいことが起きれば、ポジションを手仕舞うことが重要です。

トレード例

  • 2つの指標数値が良いので、高値から一旦1円程下がれば買うを繰り返して利益を継続します。
  • 2つの指標が悪化している期間は、安値から一旦1円程上がれば売りを繰り返して利益を継続します。

提供:©FXデイトレード社